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zoom RSS 日本人の独創性について

<<   作成日時 : 2007/12/04 20:28   >>

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かつて、日本人は

器用であるため、
「ものをまねるのは上手である」が
「新たなものを作り出すことができない。」

という批判を受けていたことがあった。
(明治の頃ではなく、バブルがはじける前で日本経済が米国を圧倒していたころ、よく聞いた気がする。)
たしかに、国土や人口、さらに言えば歴史の長さでは日本は決して負けていないイギリスからは、基礎研究の分野では、どうしてこうも沢山の天才達が出現し続けるのか(ノーベル賞受賞者の数を比較すると良く分かる・・)まったく不思議である。
どなたか、理論的な解説をしていただけないだろうか?

ところで、日本人の独創性について検証するためには、
鎖国をしていた江戸時代の文化人の業績で確認するのが最も説得力がある。
海外の情報はほとんど入って来なかったからである。(少量の蘭学からの情報は別として・・)

先のブログで述べた和算での研究実績といった数学の分野だけでなく、そのほかの分野でも先覚的な人物が発見されており、現在は日本人の独創性に疑問が投げかけられることは少なくなったように思う。

個人的には、司馬先生のエッセイで紹介されている富永仲基という人が著した「出定後語」のなかで
「加上」の原理
を用い、
「現在の仏教経典は、すべて釈迦が説いたものではなく、後世の人々の著作である。」
という証明を行い、この説は、その後現在まで破られていないことに非常に驚いた覚えがある。
この「加上」という思考方法は、思想発展の原理をまず打ち立て、それに基づいて思想の分析研究をするという画期的な研究方法の実践により打ち立てられたと言われている。
ちなみに「加上」の説とは、歴史的に経典を分析すると、新しい経典は、より古い経典の教説に異なった教説を加上しながら発展してきたという理論である。

分かりにくい仏教宗論の話で、大変恐縮でしたので、以下に司馬先生の著作からの抜粋を記載します。
日本人の独創についての非常に分かりやすい解説となっています。(すでにご存知の方は読み飛ばしてください。)

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明治初年からほぼ三十余年、日本では大学は東京に一つしかなかった。
帝国大学とよばれた。

学問のすべての分野において、外国人教師をやとった。
世界でもまれなほどの高給だった。
あわせて、日本人を先進諸国に留学させ、かれらが帰国すると、外国人と交代させた。
同時に、英語のカレッジに相当する専修と実務の学校を各地に作り、東大が受容した学問を川下に流すように分配した。

この受容と分配のシステムは、じつにうまくいった。しかし、反面
「猿まねの国」
とか、
「横文字をタテ文字にするだけの学問」
などという自嘲や批判も出た。

三、四十年経って2番目の総合大学として京都帝大が創設されたときには、マネよりも独創の場を作ろうとした。

文部省から創設を命ぜられたひとりが、初代の文科大学(文学部)の学長、狩野亨吉(1865〜1942)だった。
かれは、
「日本人に独創性があるか」
というゆゆしい疑問をみずからに問うた。

それをしらべるために、前時代(江戸時代)の古本を片っ端から買って読んだ。
狩野は秋田藩士の出で、明治の初期、東京帝大の理科大学で数学を専攻し、文科大学で哲学を学んだ。

京大創設の前は一高校長だった。
「もし日本人に独創性がなければ、あらたに大学などを興してもむだだ」
と思いつめていた。

あつめた本のほとんどは、筆写本であった。
いわばゴミの山のような古本のなかから、安藤昌益(1703?〜62)を発見した。陸奥の八戸の町医で、「自然真営道」をあらわした人物である。

昌益は、一切の世の階層、職業はウソ・マヤカシであることを論証し、徹底した平等思想を説いた。カール・マルクスに似て、それよりも百年前の人である。

本多利明(1743〜1820)も、狩野によって発見された。
本多は、数学、天文学などの素養を基礎に重商主義を説き、農民の負担をへらして国を富ませる方策を展開した。アダム・スミスの「国富論」とほぼ同時代であった。
 ほかにも幾人かの独創家を発見し、狩野はやっと安堵した。

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