志の歴史

アクセスカウンタ

zoom RSS 日本国憲法

<<   作成日時 : 2008/05/18 19:23   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 8 / トラックバック 0 / コメント 8

画像


(志摩賢島で滞在したホテルです。)

以前購入していた集英社文庫の

日本国憲法

というタイトルの文庫本を読み直してみた。

この本には、語注(言葉の解説)だけでなく、付録として
英和対訳アメリカ合衆国憲法

も記載されていて、現代かなづかいになっていることもあり、とても読みやすかった。

学校教育で習うように、日本国憲法は、昭和二十一年十一月三日に、第一次吉田茂内閣のときに公布され、昭和二十二年五月三日(憲法記念日)に施行された。

米国憲法と併せて読み直してみると、文章はGHQにより作成されたことが良く分かるのであるが、内容は実によくできている。

批判の多い前文についても、その言葉の選び方の難しさや構文上の複雑さはある(英語の言語構造をそのまま日本語にしているためであろう)にしても、

その思想の志は高い

と言ってよい。

大日本帝国憲法から、短期間でこういったパラダイムの転換がすばやくできたのは、別な思想組織が作ったからだというのは、容易に推察できる。

有名な第九条(正確には、第二章)戦争の放棄

以外にも、
第十一条
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる。
第十四条
すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
第二十一条
集会、結社及び言論、出版そのほか一切の表現の自由は、これを保障する。
第三十六条
公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。

といった、ヨーロッパそして米国において、かつて多くの人の血みどろの闘いの末勝ち取った権利に関する
珠玉といってよい条文が
第三章 国民の権利及び義務

中に明記され、
その後に、
国会、内閣、司法、財政、地方自治
についての条規が続く。

そして、
第九十八条
「この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、」
無効である、としている。

憲法というのは、よく言われるように国民に対するものではなく、国や政府といった権力に対する
拘束(縛り)
を定めたものである。

国会で、成立した法律も、憲法に違反するものであれば無効であり、
司法が違憲立法審査権により判断する(第八十一条)のだか、
自衛隊関連の法案では

第九条との関連で、しばしば議論になっているようである。

話は、変わるが米国の一ドル札には
未完成のピラミッド
が描かれている。

さらに、その下に、ラテン語で
NOVUS ORDO SECLORUM
(新しい世紀の秩序)
と書かれているそうである。(手元に一ドル札がないので)

これについては、いろいろ説もあるようであるが、
通常は

「ピラミッドが未完成なのは、
この国は、常に未完成であるべきである。」
という意味らしい。

つまり、
「我々は、常に上を目指さなければならない。
そのためには、未完成であるべきだ。」

と言うことを表わしている。

米国合衆国憲法の前文の一部に
憲法を制定する目的は

「in Order to form a more perfect Union]

とある。

日本国憲法においても
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、
国民の不断の努力によって、
これを保持しなければならない。(第十二条)

とされている。

司馬先生は、かつて言ったことがある。

「幕末に幾多の志士が斃れていったが、
ひょっとすると、彼らが夢見た次の社会というのは
戦後の日本だったのではないか。」

今、改憲の声が日に日に高まる中、もう一度
日本国憲法
を読み返してみて、少し目の覚める思いがした。




テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 8
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス
驚いた
面白い
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
 押しつけられた憲法だろうと、もらった憲法だろうと、ひろった憲法だろうと、いい憲法はいい憲法だということかなぁ?戦後60年たって、いろいろとほころびの目だつ憲法だから、補修しようとする動きもある。まさしく、あなたのいうところの「国民の不断の努力」が試される機会のような気もするんだが。
 とりあえず平和憲法大嫌い(笑)≠フわたしから、『思想の志は高い憲法』への、みっつの疑問を進呈しておく。
@占領下の憲法制定は、国際法違反の意見には、どう答えますか?
A翻訳憲法なのに、天皇規定がある理由は?
B自衛権の放棄は、理想を通りこして空想や妄想の域に達しているとの批判にどうこたえますか。
罵愚
2008/05/19 04:41
罵愚様。私ごときの拙い文章にコメントいただきありがとうございます。(今日は体調が悪くて自宅に居るのですが弱々しいながらも回答を試みます。)
ありていに言えば、現在制定されている憲法は、よくできており、そういう意味では私は”護憲”なのかもしれません。
@の御質問意ついてですが、実運用上機能しているのであれば、国際法違反(今の国連の状態を見て国際法にどれほど意味があるかは大いに疑問です)であってもそれでよいと思います。
政治に整合性などは必要ではない、というのが私の意見です。皆が幸福であればよい。そういう意味ではイデオロギー(正義)もどうでもよいではないか、と思っています。
遥遼太郎
2008/05/19 17:15
Aの御質問には、私には答える能力がありません。
Bは、自衛権の放棄についての御意見には賛同します。特に、自衛官の方々に「専守防衛」を守らせ、撃たれてから、「撃ち方はじめ」となる事態は避けなければならないと思います。ただ、私が思うのは、戦争や戦闘は問題解決の方法の選択肢にしない、というのも外交だと思っています。ベトナムの戦闘には、韓国と異なり、日本は参加しなかった。私は当時の政治家は偉かったと思っています。「戦闘に参加しない腰抜け国家」と言われても、私は平気です。逆に私は疑問に思うのです。戦争ができる憲法にしたいという人は、自分が後方の司令部でなく戦場の前線に行くつもりがあるのか?さらに言えば、戦場で人が死んでいくのを見た上で、そう言っているのか?
特攻作戦を考え出し、命令しながらも、結局戦後も生き残った人たちを思い出したりするのです。
遥遼太郎(スミマセン続きです)
2008/05/19 17:16
@立法過程が違法であっても、都合のいい法律なら有効だというのなら、やくざのおきても有効であって、民法の公序良俗規定なんて、意味はありませんね。
B武力行使に慎重を求めるのは当然として、だからといって、それが武力放棄にはつながらないとは思いませんか?鞘のうちで勝負を決めるためにも、竹光では役に立たない。万が一、そうなったときには一撃で相手を倒せるだけの鍛錬と装備と気迫は必要だと思う。そのうえで、交渉にあたっては、法と情と理をつくした交渉をする。
 ロシア、朝鮮、支那を相手の領土交渉、拉致事件、支那の共産党政権相手に山積する難問も、こじれる原因には、9条がからんでいる。武力を背景にしない外交交渉なんて、財布をもたずにデパートにいくようなトンマな話だと思う。
罵愚
2008/05/19 18:42
罵愚さま。早速のレスポンスに驚きました。考えてみたことを書いて見ます。
@については、今の状態での立法過程に照らし合わせればそうですね。でも、当時と今は状況が違うと思います。結果オーライというのも政治だと思います。大義などは皆が幸福になりさえすればどうでもよい。物事を一元的にしか捉えられないと、かつての連合赤軍のようになると思いますが。。
Bこれも、もし日本が米国や英国のような軍事大国だとすれば、もう少し解決が早まるのかもしれません。しかし、それとは別な局面で何人もの日本人が多分死ぬでしょうね。挙げられた例については、私も心静かなわけはありません。(ちょっと大げさですが、今のこの国を守るためなら死んでもよいとさえ思っています。)しかし、良いわけはないがこれしかない、というのが先人の教えのような気がします。
遥遼太郎
2008/05/19 19:14
 法律の制定された過程なんてどうでもいい。いまの状況がいいわけではないが、これしかない。としたら、あなたのブログは、何のためにあるのですか。
 現実追認しかなさらないのなら、ネット上でのあなたの存在意義はなくなってしまいませんか。
罵愚
2008/05/21 04:23
罵愚様。少し表現が悪かったでしょうかね。気を悪くされたのなら申し訳ないです。
「比例報復」というのをご存知ですか。米国が敵国に攻撃された時の対応方法です。超大国である米国は、当然敵をたたき潰すことができますが彼らはそうしません。一方、比例報復も最善手とは思っていません。しかし、今の知恵ではこれしかないというのを経験で学んだ、と聞いています。国のかたちも完璧であって欲しいですが、その形が今の知恵では見えない。そんなこと時のスタンスととり方だと思っています。
遥遼太郎
2008/05/21 21:25
 いいえ、気を悪くなんかしておりません。ただ、このブログの趣旨にあわせたはなしをしますと、司馬遼太郎は昭和軍閥の時代を考えると気が狂いそうだと回顧しています。それまでの日本のすばらしい歴史や伝統や民族性をうたいあげている。
 その司馬遼太郎にほれ込んでいるあなたなら、出生の怪しい憲法なんかより、由緒正しい憲法を、なぜ望まないのか、疑問に感じただけのことです。
罵愚
2008/05/23 16:54

コメントする help

ニックネーム
本 文
日本国憲法 志の歴史/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる