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<<   作成日時 : 2008/10/19 10:16   >>

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最近は、テレビでも時々紹介するようであるが
明治政府がこんにちの都道府県をつくるとき

どの土地が官軍に属し、どの土地が左幕もしくは日和見であったか
ということを後世にわかるようにした。

その県庁所在地の名称がそのまま県名になっている県が、官軍側である。
(但し、最近の市町村合併ですこし状況は異なってきているが・・)

薩摩藩  鹿児島市が鹿児島県
長州藩  山口市が山口県
土佐藩  高知市が高知県
肥前佐賀藩  佐賀市が佐賀県

の四県が代表的なものである。

一方、加賀百万石は日和見藩だったため
金沢が城下であったのに金沢県とはならず石川という
県内の小さい地名が県名となっている。

戊辰戦争の段階で、奥羽地方は秋田藩をのぞいてほとんどの藩が左幕だったため
秋田県を除く全ての県がかつての大藩城下町の名称としていない。

会津藩にいたっては、県庁も城下の若松市におかれず福島という僻村の土地とし
その呼称をとって福島県となっている。

ところで、岩手県の面積は四国とほとんど同じであるほどの大きさであることは
あまり認識されていない。
(ちなみに小南部といわれた八戸は明治政府により岩手県でなく青森県へほうりこまれてしまっている)

どういう感情からか、明治政府は東北の面倒は見なかった。
それを飛び越えて北海道開拓に熱を上げ、それに飽きると
古来堂々たる独立国である朝鮮に目をつけ、さらに昭和期になると鴨緑江をわたって
満州略取と経営に躍起になった。

たとえば東北、とくに陸奥という土地へ北欧諸国などの国土経営法を基に運営することによって
つまり、白河以南の米作地帯とは別原理でもって
東北経営をしたとすれば、四国地方の面積を一県でもつ広大な岩手県などは
蜜と乳の流れる山河になっていたかもしれない。

と司馬先生は、「街道をゆく」の「陸奥のみち」で述べている。

日本においてはコメというのは、妙なものである。

弥生時代に日本には蝦夷(えぞ)とか蝦夷(えみし)といわれる狩猟する集団がいた。

それを王化するというのは「君主の徳化」を及ぼすというほどの意味で
ありようは農耕集団となかよくやってゆくという程度の意味であった。

日本の上代天皇制というのは、弥生式農耕が西から東へ
どんどんひろがっていくにつれそれと表裏一体になって教勢が
自然に伸びていったという宗教的存在で、べつに戦国時代のように攻伐に
よって版図を斬りとっていったものではなかった。

いわば、上代の天皇制とは農業と同義語かもしれず、
農業の権威的象徴ともいうべき存在であった。

そこへ中国から律令制の思想が導入され

-皇帝とは権力であるらしい

という思いもよらぬ新知識を得たにわか律令官僚達によって
弥生式天皇制をゆがめ、奥州の武力討伐へと発展する。

阿倍比羅夫、坂上田村麻呂らの奥州遠征である。

農と言い、猟という、こんにちからみれば単に職業のちがいにすぎないものを
この当時の畿内人は夢にも思わず、

弥生式農業だけが正義である

というふしぎな思想は、日本とは異なる歴史の国の人には理解できないに相違ない。

律令制を打ち破った鎌倉幕府も水田主義であった。
徳川幕府も同じである。

大名や武士の権威を、水稲の穫れ高(石高)で数量した。
(三百両取りの旗本などとはいわないであろう)

もしこのとき、米作には気候的に無理があるがために
何度も何度も飢餓の悲劇にみまわれてきた南部本藩や南部八戸藩が


「自分の土地は水田の権威を否定する。」
「南部だけは牛肉を食う。」

と宣言したとすれば、実にわくわくするような空想ではあるが

必ず失敗していただろう。
と司馬先生は述べている。

それは、日本全体の文化意識そのものへの重大な挑戦行為であり、
穀物を神と仰ぐ弥生式の農民の信仰やそれと関係する天皇の神聖などの
すべての否定行動となるからである。

日本人は均一化を欲する。

大多数がやっていることが神聖であり、同時に脅迫であり、
従って南部の土地でさえ、コメをつくらざるをえず、もし作らねば世間の仲間に
入れてもらえないようなはめになる。

コメに執着し、稲作を中心に文化意識をつくりあげ、
ついに稲作をめぐって階級身分までつくりあげた日本人は
ふしぎな存在なのかもしれない。


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