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<<   作成日時 : 2009/03/28 10:44   >>

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かつて日本が帝国陸軍を持っていたころ
陸軍の正規将校の親睦団体として

偕行社

という組織があった。

その組織が発行した本のなかに

「統帥綱領・統帥参考」
という古本がある。(おのおの昭和3年と昭和7年に本にされたようである)
この本は、もとは二冊だったようで、特定の将校にしか
閲覧が許されなかった。

特定の将校とは
統帥機関である参謀本部所属の将校のことである。
具体的には、陸軍大学校に入校をゆるされ、卒業して
参謀本部での作戦や謀略その他の統帥に関する事項を
受け持つ将校をさす。

この「統帥参考」の冒頭の
「統帥権」の章に

「之を以って、統帥権の本質は力にして、
その作用は超法規的なり」

と書かれている。

超法規とは、憲法以下のあらゆる法律とは無縁だ、
ということである。

ついで、一般の国務については憲法の規定によって
国務大臣が最終責任を負う(当時の言葉で輔弼するという)のに
対して、

統帥権はそうじゃない、
という。
「輔弼の範囲外に独立す」
と断定している。

さらに続く

「従って統帥権の行使及其結果に関しては、議会に於いて責任を負わず。
議会は軍の統帥・指揮ならびに之が結果に関し、質問を提起し、
弁明を求め、又は之を批評し、論難するの権利を有せず。」

と断定している。

国家が戦争を遂行する場合、作戦についていちいち軍が
議会に相談する必要はない、
というのは常識的であるが、この文章は
平時・戦時をとわず、統帥権は三権から独立しつづけている存在だといえる。

いわゆる
統帥権問題
である。

天皇に属する参謀本部は、その統帥権により軍事行動を起こせる。
天皇は憲法上、その国務行為について不問責であるから
参謀本部は何をしようと勝手である

というロジックである。

「然れども、参謀総長・海軍軍令部長等は、幕僚(天皇のスタッフ)にして、
憲法上の責任を有するものにあらざるが故に・・」

明治憲法においても、日本国民のたれもが憲法下にあり、天皇でさえ
憲法によって規定されていた。
憲法によって、天皇は政治に対し、個人として能動的な作用をすることは
いっさいできなかった。
例外は、敗戦のときにおこなったいわるゆる”聖断”のときだけであった。

さらに、この著書には

「・・兵権を行使する機関は、軍事上の必要なる限度に於いて、
直接国民を統治することを得・・」
とあって、この文章のかぎり、天皇の統帥権は停止されているかのようである。

憲法に関するこのような確信に満ちた私的解釈が、国家機関の一部で
行われているということは、知られていなかったようであるが、
昭和前期の歴史は、昭和7年に書かれたこの
”機密”
どおりに展開した。

ちなみに、当時の日本憲法学の解釈では
統帥権について
「之を以って国務大臣輔弼の外に置くとすることの説行はるれども、
蓋し是一の独断たるのみ、何等法上の根拠あるなし。」

として、統帥権は国務大臣輔弼の外ではない、としていた。

いずれにしろ、昭和十年以降当時の日本帝国のなかに別な国があったかのような
状態となり、最終的に壊滅することになった。

以上は、「この国のかたち」の中で司馬先生が述べられているものだが
私は、この文章は司馬先生からの将来の日本への
”警告”
のようなものだと思っている。


さらに、私が何故このようなことをのべはじめたかというと、

北朝鮮のミサイル発射に対応して、とうとう自衛隊の迎撃システムの配備が
国内に展開し始めたからである。
というより、イージス艦の出港やPAC3の首都圏や国内配備について
当たり前のような報道がなされ始めたからである。

私は、この国の対応は当然であると考えているが、できればこういった報道は
見たくはなかった。

私も含めて、日本人は普段は国内の事柄へは批判的で自虐的でさえあるのだが
外敵が現れると一気に
愛国的
になる。

日本人は、この心理的傾斜が大きく傾きやすく、
そうなると国のかたちが歪になっていくのである。

北朝鮮の行為は、これまで難しかった日本の軍事力強化と
日本国民の戦争への意識変化を
容易にさせるもので、はっきり言うと「失敗」である。

日本国を脅かすものは倒さねばならないが、
同時に先人の教えも忘れてはならないと思う。











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