志の歴史

アクセスカウンタ

zoom RSS えらいこっちゃ侍

<<   作成日時 : 2012/05/12 11:03   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

幕末に京都の治安維持のために設置された
新選組
という組織は有名である。

当時、こういった非常の武装治安部隊が
幕府によって江戸や大阪といった大都市で組織された。

大阪の東西両奉行所(江戸では南北奉行所である)の
与力同心の勢力は二百人程度で、大阪も治安維持ができなくなった。

大阪では市中を四分して、四藩に担当させた。
横堀以東の広大な市街地は紀州藩
その以東は越前福井藩といった大藩が担当したが
道頓堀以南は肥前平戸藩、横堀以西は、播州小野一万石の
小藩一柳藩家が受け持った。

一柳家では当惑した。

通常、一万石当たりの動員兵力は二百五十人といわれるが
大阪にいる藩士は六人で、足軽同心をふくめて十二、三人しかいなかった。

当然、金もない。

窮した挙句、鍵屋万助(明石屋万吉)、という侠客に泣きつくことにした。

つまり、万助を士分に引き上げるかわり、
人数も費用も全部肩代わりさせるこんたんである。

万助は、
「わしを侍にしてやろ、と申されるので」
とおどろき、幕府もしまいだとおもったが

「わいもこんな男家業ださかい」
と気軽にひきうけた。

万助は、苗字帯刀をゆるされ、吉田忠兵衛と名乗り
身分は、足軽頭、食禄は十人扶持。
公式の外出には、騎乗、槍を立てることがゆるされる武士になった。

しかし、それだけであった。
必要人数三百人を養う経費はびた一文、出ない。

そこで、一柳藩の藩邸が町奉行所に対して
治外法権である当時の法に目をつけ、藩邸で公然と賭場を開帳した。
その結果、大流行したその博打場からの寺銭を警備費用に当てた。

子分達は、一日米五合を支給され、藩から足軽の資格を与えられ
両刀を帯することをゆるされた。

にわか侍
というわけで、刀を大量に買い込むやら、なんやらで

-えらいこっちゃ侍や、えらいこっちゃ侍や
とはしゃいだため、市中では
「えらいこっちゃ侍」
とあだなした。

ずいぶん人を斬った。

浮浪浪士は、数人で来る。
こちらは五十人、百人で捕り物道具をもって押してゆく。

捕らえれば、京都所司代のやり方と同様
ろくに吟味をせずに殺してしまったようである。

そのうち、道頓堀以南受持の平戸松浦藩でも
一柳橋藩の妙案を真似し、市中の博徒の親分5,6人に
依頼したため、文久三年春から鳥羽伏見の戦いまでの数年間
大阪の博徒のたいていは
「えらいこっちゃ侍」
になってしまっている。

彼ら「えらいこっちゃ侍」が大活躍したのは
元治元年七月の蛤御門の変のときで

京で敗北した長州軍の敗走兵のうち
大阪の諸藩の警備隊に斬られた者だけで百人近くにおよんだ。

鍵屋万助が
「なるべく殺すな」
と子分に命じたのは、このときである。

新選組は、政治結社であったが、
万助のは、頼まれ仕事である。

憎悪もないのに相手を斬るのがばかばかしくなった。

大将の万助がいちいち人相を見て
「こら、スンナリした顔しとる」
といえば、子分が長州藩士をかくまって、逃がした。

このため、大阪潜伏中の長州藩士でも
わざわざ頼ってくる者もあった。

奇兵隊の指揮官、赤根武人、維新政府の顕官になった遠藤謹介
大物では桂小五郎がいた。

「わいはな」
と、敗残の長州藩士たちにいった。
「どっちゃでもええのや。
 こうみえても、大公儀からびた一文貰うてへん。
 泥棒退治を命ぜられてるだけや。
 おまはんらは、ちがうやろ」

一文も貰おうてない、ということが、京の新撰組とは
ちがっている。

一柳藩からは、万助のこういう態度に苦情がでたが、
万助は即座に
「藩の警備は、わいのぜにでやってまンねや」
といい、
「固いこと言いなはンなや」
と逆になだめ、それで事が済んだ。

万助のあたまには幕府も長州もなく
「わいのぜに」だけで立っていた。

時勢が急転したのは
慶応四年正月、鳥羽伏見にて
京に押しのぼろうとした幕府軍が薩長土の連合軍と
戦って大敗してからである。

幕府軍が大阪から撤退するや
万助は、大急ぎでもとの町人になり
子分のえらいこっちゃ侍たちも、
いっせいにただの遊び人になりすました。

薩長両軍は、かつて大阪警備で働いた
市中の親分連中を、長州屯所である天満樋口東照宮と
薩州屯所である南御堂によびだし

有無をもいわさず、即座に首を刎ねた。

しかし、万助だけにはいっこうに呼びだしがない。
ついに差紙がきて、出頭すると
かつて命を助けた長州藩士遠藤謹介が隊長の席におり
「貴様は、わしの顔を覚えておろう」
といった。
このおかかげで、命拾いをした。



テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
レイバン メガネ
えらいこっちゃ侍 志の歴史/ウェブリブログ ...続きを見る
レイバン メガネ
2013/07/05 22:43

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
えらいこっちゃ侍 志の歴史/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる