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zoom RSS 後藤新平と保健衛生

<<   作成日時 : 2014/07/05 15:09   >>

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(アベノハルカスから見た大阪湾です。)

徳川家康という人は、模倣の人で

織田信長、豊臣秀吉といった
近世の独創的天才達の真似はしなかった。

どちらかといえば中世の色合いの強い武田信玄を
尊敬し、武田家が滅んだあとは、その浪人を

積極的に召し抱え、武田家の戦法や陣立てなどを
参考にしたりしたという。

ただし、一つだけ独創的な点があったと
司馬先生はいくつかの小説で指摘している。

保健医学の思想である。
かれは日本における梅毒の最初の猖獗時代に
成人し、他の多くの武将がこれに感染したのをみて

この病は遊女に接するためとみ、その生涯で
一度も遊女というものを近づけなかったという。

これは、戦国の武将としては、珍奇なほど異例と
いってよい。

さらに、
スポーツが身体によい、ということを
東洋において最初に知り、実行したことである。

しかし、この思想も、その家来や周囲に勧めることなく
彼個人どまりだったことから、

保健医学の先駆者
という歴史上の栄誉を逃した、

ということであった。

しかし、最近ベストセラーとなっている

「日本史の謎は「地形」で解ける」



日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫)
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2013-10-03
竹村 公太郎

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によると
徳川家康という人は、模倣の人どころではなく

日本史上、最大の国土プランナー
であった、ということがインフラの専門家の
立場から述べられており、この新しい視点からの考証にとても驚いた。

この著者は、このほかにも実に興味深い事実を
上記タイトルのシリーズで書いているのだが、

その中で最も面白かったものを紹介したい。

現在、日本人の平均寿命は世界に誇るものであるが

明治末期から大正10年頃にかけては、寿命が低下傾向になっている。
大正10年(1921年)の平均寿命はわずかに42.7歳である。
しかし、その後一転して上昇し、現在に至っている

「その国の国民の寿命は、乳児の死亡率に依存している。」
という相関どおり、明治末期から大正10年頃まで、乳児の死亡は
増加し続けているが、大正10年に減少に転じる。

単に転じたのではなく、劇的に減少に転じていることが
統計的に示されている。

結論から言うと
「大正10年(1921年)、東京市(日本)で水道の塩素殺菌が開始された。」
が、死亡率減少の理由である。

水道水の配水は、明治20年(1887年)に横浜市で開始され
逐次各所で開始されていたが、殺菌されていない水道水が
配水されていた。

これが、大正10年まで乳児の死亡率が増加していった理由である。

しかし、明治の近代水道ができる以前から
「感染症には、目に見えない微生物の細菌が関与している。」
ことはわかっていた。

では、なぜ水道水は放置されたいたか。

このあたりまで切り込んでいくところが、
この著者の本の面白いところである。

著者の調査により
「水道の塩素滅菌には液体塩素が必要だが、
 その液体窒素は大正7年に開発された。」
という事実をつかむ。

さらに
「シベリア出兵に際し、陸軍から毒ガス製造を依頼された。
 しかし、シベリア出兵はすぐ終了してしまったので
 民生利用として水道水の殺菌に転用することとなった。」

という現・保土谷化学工業(株)(当時は(株)程谷曹達工場)の社史の
文章を見つける。

だが、毒ガスとしての液体塩素は当然軍の機密事項であったはずである。

なぜ、簡単に民生に転用できたか、が次の疑問となる。

大正10年に東京市長だったのは
関東大震災後の帝都復興院総裁の

後藤新平
であった。

シベリア出兵の大正7年
彼は外務大臣として、シベリア現地で出兵作戦の指揮をしていた。

つまり、後藤新平はシベリアで
「液体塩素」と出会い、その2年後東京市長となっていたのだ。

さらに、彼は
ドイツへ留学し、「コッホ研究所」で医学博士号を
取得した細菌学の専門家だったのである。

東京市長となった後藤新平が
殺菌を大量に含んだ水道水が市民に送られているのをみて

「液体塩素で水道水を殺菌すべき」
と考えたのは必然だろう、と著者は述べている。

日本の保険衛生史上の
特筆すべき出来事だった。

このことが書かれている
「日本史の謎は「地形」で解ける」
の著者は
竹村公太郎氏
で、建設省、国土交通省の技術官僚だった人で
実に面白い観点から歴史についての考証を発表し続けている。

歴史に興味があるかたは、
一読をお勧めする。





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